一日であっという間に ”冬の会津” になってしまいました。
雪を片付けるほどの降雪ではありませんが、どこもかしこも真っ白になりました。非常に気温が低く、日中でも路面が凍結しています。
車はトロトロ運転で。スタッドレスだからそこまでゆっくりじゃなくても…と思ってしまいますが、これも冬の会津ですね。
さて、昨日は郡山で福島県鍼灸師会の冬季学術講習会が開催されました。
一日で3コマ(実技付き)という大ボリュームな講習会でした。
小沼は治療院で ZOOM の録画係を拝命し、きれいな空気の中で視聴することができました。会長の心遣いに感謝ですね。
1コマ目は「患者中心の医療」をテーマに座学。
小沼が鍼灸学生の頃から現行医療は 患者を診ず、病気を診る と言われていまして、残念ながら今も変わりません。
むしろここ10年ほどで電子カルテが導入・標準化され、さらにひどくなっている感すらあります。
その状態に警鐘を鳴らす一部の心ある医師・スタッフがおり、少しずつですが患者中心の医療を実践されているようです。
鍼灸院のように3,40分マンツーマンで診療できるはずもなく、それをしていたら医療機関を訪れる患者さんの待ち時間が増えてしまうのでそこまでは無理ですが、質の高い医療を提供するために日夜ご努力されている医療関係者がいるということは嬉しいことですよね。
傾聴すらしない現行医療の中、限りある時間の中で患者さんの訴えを親身に聞き、的確な対応をしていくことは正直ハードモードです。ですが、患者さんのニーズに応えることはとても大切(なんでもかんでも応えることは違うと思いますけどね)。
講師の豊田先生は「それって当たり前のことでは?!」と思うことまで丁寧に解説くださり、日々つづく診療で忘れそうになっている感覚を呼び戻していただけたのは有意義でした。
2コマ目、3コマ目は新潟医療福祉大学 鍼灸健康学科 学科長の粕谷大智先生の講義と実技。
粕谷大智先生は鍼灸業界の重鎮のお一人。多数の研究論文投稿、学術発表、メディアに取り上げられることも多い先生です。
顔面神経麻痺や眼精疲労など、顔面の疾患に絞っての解説でしたが、新常識とも言える新しいスタンダードを聴講できましたし、首からアプローチする眼精疲労の施術も興味深かった。
7,8年でしたか、目を動かすと後頭下筋群も動いているという論文を読みまして人体の不思議さを感じました。それ以降、この小さな後頭部の筋肉を意識するようになり、自分なりの考えで施術に取り入れたこともありました。
その後頭下筋群の話が聞けたのはとても良かったし、筋膜リリースの方法も即効性があってよいと思いました。
粕谷先生の実技を視聴していて思ったのは丁寧だなということ。
鍼を刺すことやその手つきが丁寧なのはもちろんなんですけど、刺鍼するごとに「痛くないですか?」と尋ねていたり、デモンストレーションを務めたモデルの方に「お疲れ様でした」と声を掛けていたので印象的で。
今までその世界では有名とされる方々の技術を目の前で見てきましたが、大概は自分の術を見せておしまい。いわゆる重鎮と呼ばれる方々がモデルの方に対する礼儀や気遣いをする場面を見たことがありませんでした。
粕谷先生のそれを見て、普段からこのような姿勢で人と向き合っておられるのだろうなと思いました。人間力とも言えますね。
午前の座学では日常診療で忙しくしていると忘れそうな基本的なことを改めて整理できましたし、午後の座学と実技でもスキル的なことだけでなく、鍼灸師である前に人として当たり前に携えておくべき姿勢や精神のことを学べました。
朝から夕方まで、長丁場でありながらもあっという間の一日であり、充実した時間を過ごせました。
あとは26日、個人的に参加するものが今年ラストの講習になります。
どちらかというとマインド系ですが、しっかり学んで結果を出せるようにしたいですね。
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