久々にプチ症例報告をします。
足の親指が両方しびれるという患者さん。おぬま治療院の開院当初からお越しいただいている方で、初診時(はるか15年ほど前)も同様の症状でした。
あれから15年以上が経過し、初診時の症状はとっくの昔に消失していましたが、ここ最近になってこの症状が再燃してきたとのこと。しかも、結構な重症例。
両方の親指に触れても「ほとんど感覚がない」そうで、知覚鈍麻を通り越しているような症状でした。
また、大変お忙しい患者さんで、そんなに詰めて通えないのはお互いにわかっております。
いわゆる「赤旗兆候」がないことを確認して、鍼灸で施術を開始。
なにか特別なことをするのでは? と思う方もいるでしょうけど、当院の施術は一貫してバランス調整に比重をおきます。ですから、しびれにはこのツボみたいなものはありません。
上述したとおり、大変お忙しい患者さんなので一ヶ月に一度来れればよい方。ちょっと厳しいかと思いましたが、来院されるごとに触覚がもどっていたので、ネガティブにとらえずに前進あるのみ。
そして、迎えた3回目(再燃してから約3ヶ月)。
右足の親指はほとんど通常の感覚にもどっていることを確認。左足の親指は内側がにぶい感覚。
鍼灸で全身バランス調整を施した後、左親指の触覚を確認すると開始前よりは回復してます(これはいつものことです)。
バランス調整後、いつもと同様に左親指への疎通をよくする解除キーを探していきます。
今回は冒頭の画像のとおり、左手薬指の関衝というツボに求めましたら、左足親指内側の触覚が一気に回復しました。ちなみにお灸をすえました。
個人的には右手の関衝に反応があると思っていましたが、今回は逆側でしたね。
いつも面白いと感じるのは、
- 患部に施術しなくてもバランス調整だけで回復することもある
- 患部とはまったく関係のない、遠く離れたツボで回復することがある
ということですね。
身体というのは施術者が治したくて治るものではありません。
施術者の刺激を受け止めて「治ってくれる」のです。
またひとつ、小沼のデータベースが更新されました。患者さんにも勉強させていただき、本当にありがたいです。