先週土曜日に6月に入りました。
1日土曜日はほぼ満枠でありがとうございました。
診療開始から終了まで楽しく、集中して患者さんと向き合うことができました。
今月も当院を必要としてくださる方々に最大で最高のリターンができるよう、よい仕事をしてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今日のタイトルに入っている「遠隔治療」ですが、自宅にいながら鍼灸治療が受けられるという意味での “遠隔” ではありません。
鍼灸の治療方法の1つとして、患部とはまったく関係なさそうな部位の経穴(ツボ)に刺激することで治療効果を期待するものがあり、それを遠隔治療と呼びます。
鍼灸の醍醐味のひとつとなっていて、患者さんに驚いていただけることもあり、エンタメ性もあります。
※画像はネットよりお借りしました
先日、左足の三陰交付近に痛みがあるという患者さんがおられました。
動くと痛いだけでなく、圧痛(押さえたときの痛み)もあり、わりと強めの症状。
いつものように患部に直接触れることはなく、全身のバランスを整えたところで動いたときの痛みは消失。しかし、圧痛が1,2割残りました。
基本的に残った圧痛もバランス調整後、数日を経過させれば消えていくことが多いのですが、わりと強めの症状ということもあり、患部の治療を追加することに。
※画像はネットよりお借りしました
天邪鬼な小沼は患部の治療といっても三陰交付近に刺激することはありません。
今回は右手の合谷に反応があったので、まず試治を行い患部にどのような反応が現れるかを確認します。
試治の時点で三陰交付近に残った圧痛がキレイに消えましたので、そこにお灸をして終了。
患部は左足なのに治療は右手に行う。
これが遠隔治療と呼ばれる所以であり、鍼灸の面白いところです。
いつも患者さんにはお伝えしていますが、基本的に患部に原因はありません。
打撲とか捻挫とか、明らかに痛めた箇所に原因がある場合は別として、患部に直接治療を行ってもあまり変化は見られません(個人的な見解ですからね)。
ですので、当院ではその原因を筋肉の偏り、関節の不安定、重心のズレといったバランスの崩れ・乱れにあると考え、全身丸ごと治療を行っています。
多くはバランスを整えるだけで効果が見られますが、症状によってはもう少し突っ込んだ施術を行うケースがあり、その時に当院では遠隔治療を好んで行っています。
もちろん、患部への直接刺激を否定するものではなく、むしろ患者さんからしたら「患部に施術してもらったほうが安心感がある」とは思います。
ただ、それで効果があるならいいんですけどねぇ……って話なんです。
小沼の乏しい臨床経験を振り返ってみても患部への直接刺激で効果が現れた例は非常に少ないです。
結果的に症状が起こっている箇所に原因はないと考えるほうが妥当なんです。
今回の症例でいえば、なぜ右手の合谷を使ったのかという疑問があると思いますが、様々な理論があるため、ここでは省略させていただきます。
どうしても気になる!という方は来院時に直接聞いて下さい。
物事には原因と結果が必ずあります。
結果ばかりを見て原因に目がいかなくなると何事もうまくいきません。
人間の身体も同じですね。
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