時には親よりも

日々雑感

先日お越しになった中学生の患者さん。とある競技で将来有望。

そうすると強化練習会などに参加する機会も増え、自分よりも強い選手に出会うことで刺激を受け、競技に益々のめり込んでいくことになります。

それ自体は決して悪いことではなく、むしろ素晴らしいこと。

ただ、日常の練習に加え、本来であれば休息にあてられる日も練習になるわけで、さすがに身体はきつくなってきます。

そんな身体のあちこちに辛い症状が出始めたタイミングで来院となりました。

中高生の競技者というと筋肉がガチガチになっていることが多いのですが、患者さんもそんな感じ。少々難儀な感じもありましたが、10分ほどの調整でゆる~くなりましたので一安心。本人もホッとしたような表情をされておりました。

 

 

お帰りの際、一緒に来ていたお父様とちょっとした世間話。

その中でお子さんがアドバイスをなかなか聞いてくれないというものがあり。

話を聞くと、普段の練習で疲れているところにさらに自宅で筋トレをし、しかもそれがほぼ毎日だというので、さすがにご両親も心配していくつかアドバイスをするもお子さんは聞く耳を持たず…。

「先生、うちの子に言ってやってくださいよ」的な雰囲気だったので、僭越ながらいくつかアドバイスをさせていただきました。

まず超回復の話。筋トレをするなら効果が上がりやすくなる間隔があるよというお話。

そして、親御さんのアドバイスは一旦は受け止めようという話。

同じ競技をしてきたわけじゃないからアドバイスを受け入れられないのはよく分かります。通り一遍に「やり過ぎは良くないから休んだら?」と言われても納得できませんよね。

でも、親御さんは貴方よりも数十年長く生きてきて、その中で沢山の成功と失敗の経験を積んでいるので、自分の失敗したパターンに置き換えてアドバイスをしてくれているんです。

もちろん、そのときにならなければ分からないことは多い。実際に失敗してやっと言われていた意味が分かるってことも多いです。私も何度もあります。

だからこそ、親御さんは(ある意味、過干渉かもしれないけど)貴方に少しでも苦労をして欲しくないから、先回りしてアドバイスをするんです。ずるい言い方ですが、貴方が結婚して人の親になれば分かるようになるよ。

聞く耳を持ちたくないのは分かるけど、親御さんのこれまでの経験がつまった素晴らしいアドバイスを一旦は受け止めて欲しいな。

 

なんてことをお話させていただきました。

きっと親御さんと同じことを言っていると思うのです。ですが、少し理解を示してくれたようで、その様子を見ていたお父様も喜んでおられました。

こういう仕事をし、患者さんによい効果を感じていただけるようになると、実の親御さんよりも言葉の威力を発揮することがあります。おそらくそれは信頼関係が構築できているからこそだと思います。

40年ちょっとしか生きていない人間(私です)の経験なんて大したことないですし、他の方のほうがよっぽど素晴らしい経験を積んでいるに違いありませんが、どんなことでも役に立てるというのは素直に嬉しいことですね。

 

偉そうに書きましたが、自分の娘さんたちはどうか? と聞かれれば、受け入れてくれないことも多いです。

家の人のアドバイスよりも外の人のアドバイスの方が沁みるんでしょうね。

まあ、私もそうでしたし 😆

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