毎日朝から ”熱帯雨林かよ” と思うほどの高温多湿にうんざりしています。
湿度が高いので呼吸がしずらく、起床時からダル重です。
上実下虚になっていて、上半身はのぼせたような感覚、下半身は冷えているような感覚。
こういうときは敢えて温かいもの(お茶とか白湯とか)を頂くと気が巡り、のぼせが解消しやすいです。
これだけ暑いと冷たいものを摂取する機会が増えます。朝から暑いですけど、まだ気温がマシな内は温かいものを摂取することも大切ですね。
自宅(治療院)周辺では今日からセミが鳴き始めました。
誰も言わないから言うけど
高齢者への訪問マッサージ
1回6,430円、週2回で
月51,440円
自己負担はわずか1割
残りは現役世代が納めた税金。
生活保護は無料。
一番最初に廃止すべきものはコレ!— 湾岸マン@選手村に住む (@wanganchuo) July 6, 2025
さて、先日ツイッターに回ってきたあるポスト。
これを書いた人は外科指導医らしいんですが、足元(現場)が見えてないなあと思いましたので取り上げることにします。
まず訪問マッサージは「ある条件を満たした方のみ」保険適用が可能になります。
ざっくりいうと以下。
- 寝たきりや歩行困難など、通院が困難な方
- 医師の同意があること
- 国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」が施術に当たること
のようになっています。
この中で一番のネックは2番目の「医師の同意があること」なんですが、主治医が訪問マッサージを認めないケースが結構あります。患者さんが希望していても医師が OK を出さないのでポシャることも。
1番目に「寝たきりや歩行困難など」と挙げました。
脳血管障害の後遺症や神経難病などが多いですが、基本的には「医師が認めたものならなんでも」になりますので、小沼も過去にはうつ病から起因する激しい肩こり・腰痛の患者さん宅に訪問したこともあります。
※ただし、医師が認めても保険者が認めないケースも多く、やっぱりポシャることがあります
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気になる訪問マッサージの施術料は上画像のようになります。
- マッサージは全身を5部位にわけます。体幹・両腕・両脚で5部位です
- 温罨法(おんあんぽう)はホットパックのこと
- 電気光線器具はいわゆる低周波治療器のこと
- 変形徒手矯正術は拘縮を起こした関節に対する施術のこと
- 往療料はいわゆる往診料のこと
上記のようなメニューと料金体系になっていますが、すべての患者さんがすべてのメニューを受けられることはなく、あくまでも ”医師の判断” によって決まっていきます。
患者さんが全身をマッサージしてほしいと希望することと、患者さんの症状・病状に必要なマッサージ部位および施術内容は異なるということです。
脳卒中後の右片麻痺の患者さんを例にすると、多くても「体幹・右腕・右足」の3部位になります。健側(麻痺が起こっていない)の左腕と左脚はマッサージすることができません(もちろん、実費で左腕と左脚に施術することは可能です)。
あとは各訪問マッサージさんのやり方次第だとは思いますが、温罨法や電気光線器具はほとんど使いませんでした(小沼の経験上の話ですよ)。一日に訪問できる患者さんの数にも限りがありましたし、温罨法や電気光線器具を使う時間がなかったという言い方もできますが。
関節拘縮に変形徒手矯正術を行うことは多かったですが、実際は施術するけど申請はしないみたいなことが多かったですね。変形徒手矯正術は別に医師から同意をいただかないといけないので面倒臭いんです。
で、長くなりましたが上のツイートの件です。
誰も言わないから言うけど
高齢者への訪問マッサージ
1回6,430円、週2回で
月51,440円
自己負担はわずか1割
残りは現役世代が納めた税金。
生活保護は無料。
一番最初に廃止すべきものはコレ!
まず、1回6,430円と計上しているんですが、これどういう条件にしたらこの施術料になるんでしょうか。いろいろと条件を変えて計算してみたんですけど6,430円ピッタリになることはありませんでした。
5部位施術、温罨法と電気光線器具、4km以上離れた患家まで訪問したとしても1回5,100円なんですよね。ちなみに変形徒手矯正術は温罨法・電気光線器具と一緒にできないので計上していません。
小沼が訪問していた20年以上前でも5部位施術は保険者に睨まれる案件でした。それよりも厳しくなっているこのご時世に5部位施術なんて無理ですよ。四肢麻痺とか ALS の末期とかならギリギリ許されるレベルでしょうか。
件のツイートには訪問マッサージは廃止して介護士や PT・OT に任せればよい、みたいな意見が結構あったのですが、介護士や PT・OT に筋肉の緊張や痛みを緩和させるスキルはありません。
PT・OT に限って言えば「訪問リハビリ」という20分単位で料金が発生するサービスがあります。機能訓練による運動機能の回復がメインです。痛みがあってしんどいのに『頑張って動かしましょう!』という地獄のようなメニューです。
そして、筋緊張や痛みにはまるで効果がない。
それで『一番最初に廃止すべきものはコレ!』とポストされたわけですが、廃止すべきものはもっと他にあるでしょうよと。
例えば医療機関の「再診料」。これ本当に無駄だと思う。というか、ただ医療機関に行っただけなのに徴収されるとか意味不明です。前回行ってから三ヶ月空いた、半年空いたのなら再診料が発生してもいいと思いますが、風邪で診察を受け、治りが悪いので1週間後に受診したら「再診料」とかね。
それから同一人物なのに病名が変わるだけで発生する「初診料」も無駄。最初は風邪で受診したので初診料は解りますが、例えばその10日後に腹痛で受診した場合、病名が異なるので初診料が発生する。おかしいでしょ?
明らかに食べ過ぎによる胃の不調に対する胃薬の処方なども無駄だと思いますね。
正直、訪問マッサージで毎日発生する施術料よりも医療機関で毎日発生する再診料や無駄に処方される薬のほうが金額的には全然大きいと思うんですよ。
医療機関の報酬だって税金です。
結局、自分たちの身を切ることはしないという典型例です。
ポストした外科指導医さんは訪問マッサージの現場を何もしらないと思うからこそのあのツイートなんでしょう。表面上の金額だけで物申している状態ですし、なぜ6,430円になるのかという内訳がない。
そもそも「現行医療で治療したけど成果がなく、代替・補完のための訪問マッサージ」という位置づけなのにそれを真っ先に廃止せよというのは、自分がいる世界(現行医療)の仕事では患者さんの役に立っていないということを認めるばかりか、成果のなかった患者さんを切り捨てることになるんですけどね。
もう20年以上前になりますが、新宿・渋谷・世田谷・杉並あたりをチャリンコ漕いで訪問マッサージを専門にしていた経験があり、訪問マッサージの良さ・難しさ(限界)を知っていることから、件のポストはちょっと……と思ったので個人的な思いを書きました。
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