ここのところ穏やかな天気が続きます。金曜日は南岸低気圧が発生し、大雪になるらしいですけど。
今シーズン、雪は少なめでいい塩梅ですが、このまま片付けることなくシーズン終了してくれないかなぁと。
診療の空き時間に確定申告の作業を開始しました。領収証と電卓片手に数字とにらめっこです。
何十年もやっているのに全然慣れないのはなんででしょうか。
早い内に終わらせて身軽になりたいと思います!
さて、少し前ですが、ある測定器を購入しました。
製品名には「PM2.5 測定器」とありますが、個人的にそこまで PM2.5 は気にしておりません。
測定したいのは TVOC(総揮発性有機化合物)であり、そのためにこの測定器を購入しました。
TVOC も総揮発性有機化合物も馴染みのない単語ですが、ざっくり言えば 人体に悪影響をおよぼすガスの数値 だと思っていただければよろしいかと。
元は VOC(揮発性有機化合物)というものがあり、シックハウス症候群の原因になる13の物質があります。塗料や接着剤、ガソリンから揮発するトルエンなどと言えばお分かりになるでしょうか。13種類は以下に記載。
- トルエン
- キシレン
- エチルベンゼン
- スチレン
- アセトアルデヒド
- ホルムアルデヒド
- テトラデカン
- パラジクロロベンゼン
- クロルピリホス
- フタル酸ジ-n-ブチル
- フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
- ダイアジノン
- フェノブカルブ
で、これらの13の物質は2002年に厚生労働省が「室内環境汚染の基準」として濃度指針値を定めています。上記した13の物質それぞれに「人間がその示された濃度の空気を吸い続けても健康に影響を及ぼさないであろうと判断される値」が一応決まっているのですが、
13以外にも VOC は存在していて、すべての指針値を定めることは現実的に不可能ということで VOC 個々の濃度の合計値を決めたものが TVOC となります。
TVOC の基準値(暫定目標値)は 400μg/m3 となっていて、1立方メートル辺り 400μg(マイクログラム)となっています。
そして、当院で購入した測定器は μg 表記ではなく mg 表記ですので、0.4mg/m3 となります。
ちなみに当院のデフォルトはだいたい 0.2mg/m3 です。おそらく石油ファンヒーターを使っているからかなぁと思っています。春~秋はもう少し数値が下がるかもしれません。
TVOC の説明おわり。
それで、なぜ当院がこの測定器を購入して TVOC を測っているのかというと、柔軟剤を筆頭とした人工香料やイソシアネート類が TVOC の数値を顕著に上昇させるから、なんですね。
これまでは小沼の嗅覚に頼ってニオイを判別していました。自分の嗅覚に自信はありますけど、日常的に香料を使っている方(つまり、嗅覚が順応して働きが鈍っている方)からしたらアタオカ判定されてしまうんですね。
『ニオイなんて全然感じないのにこの人(小沼)はクサイと言う』みたいな感じです。
小沼の嗅覚だけではなく、こめかみの頭痛やだるさも一つの指標になりますが、それも伝わりにくい。
というわけで、TVOC を数値で可視化できるようにすれば、小沼がアタオカなのではなく、香料使用者がハナオカ(鼻がおかしい)なんだよって堂々と言えるわけです。
そして、数値が上昇すれば柔軟剤や合成洗剤の香料および成分が原因であると指摘することもできます。測定器なくても指摘はしていましたけどね。
今後は小沼の嗅覚が反応し、測定器の数値が 0.4mg/m3 を超える or 近づく患者さんがいた場合、罰則を設ける計画も立てています。
合成洗剤も柔軟剤も石油精製品ではありますが、最近はモロに石油臭がひどくなってきた感があり、それを隠すために香料も増し増しになっているような気もします。
大人でも十分に悪影響なのに小さなお子さんを持つご家庭でも、まず漏れることなく合成洗剤 + 柔軟剤のコンボじゃないですか。そこに消臭ビーズを使ったり、シャンプーやボディソープ、ハンドクリーム、リビングには消臭スプレー、玄関にはインセンス、車には芳香剤。これは将来の健康に影響がないとは言い切れないですよ。
ハナオカになった香料使用者は衣類から揮発される VOC を絶えず吸い続け、体内に入れ続けています。シンナーやトルエンをスーハースーハーしているのと同じ(まったく同じではないけど)構造が成立しています。
こうした高残香性製品を使い続けることでいずれは CS を発症する可能性もあります。
好きな香りだから大丈夫なんてことはないですよ。
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