『失礼……しま……す』
かなりオドオドした様子で来院された患者 G さん。約10ヶ月ぶりの来院。
G さんのお母さんはマメに来院されており、小沼が MCS を発症したこともご存知。そして、香害に関心と理解、協力をしてくださっています。
そういう経緯もあり、久しぶりに G さんからご予約があったときは柔軟剤等の使用歴を確認せずに受けてしまった。同じ屋根の下で暮らしていれば、無香料・無添加の洗濯生活をされていると思ったからですね。
ところが、日々奮闘してくださっているのは G さんのお母さんであり、G さんご自身はたまに柔軟剤等を使用しているらしいとの情報をいただく。速攻で G さんへパンフを配布し、場合によっては来院不可であることを伝えました。
そうして迎えた予約当日、冒頭のような来院になってしまいました。まあ、小沼がそうさせてしまったので平謝り状態でしたが。
香害レベルはというと “まぁまぁ” のレベル。ふだん使いの臭い方ではなく、過去に使っていたけど脱臭していない状態のもの。
これはこれで充分強いですが、軽く頭痛が起こる程度なので今回はオーケーとしました。しかし、もう柔軟剤等を使っていないのにこの臭気。メーカーは本当にどういうつもりでこんなものを作っているのか。そろそろ一般の方も “クサイ” “強すぎ” って感じているレベルかと。
G さんの施術は無事に終えましたが、やはり同一家族だからといって安全ではない、ということを覚えました。孤軍奮闘でがんばってくださっているご家庭もあるということを学びました。
小沼も香害を訴える鍼灸師としては孤軍奮闘を脱しているとはいいがたく、今後も啓発を続けていかなくてはいけないと強く思いました。
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G さんの症状はピークが過ぎても回復しない背中の痛み。いつもならピークを過ぎれば自然回復してくる症状なのに回復してこないと、心配になって来院されました。加えて、頭がボーっとするとのこと。
背中といっても千差万別。施術側がイメージする背中というのは、胸椎8~12くらいだと思いますが、患者さんによっては腰のことを背中と言ったり、肩甲間部を背中と言ったりします。G さんの場合は肩甲間部でした。
それほどひどい印象は受けませんでしたが、頭がボーっとするということは酸欠ですよね。血流が少なくなり、脳に酸素が届きにくい状態ですから、筋肉のコリが生じやすいでしょう。
10ヶ月ぶりに鍼灸によるバランス調整を受けていただきました。お子さんの学校のこと、担任の先生のこと、香害のこと、いろいろお話しながらあっという間の20分。
身体を起こしていただくと小沼にもはっきりと顔つき(目の開き具合・顔色)が変わったことがわかります。G さんご本人も『視界が広がって目の前明るくなった』と喜んでいらっしゃいました。
主訴である背中の痛みは、筋肉に指がめりこむほど緊張がほどけ、安心されていました。おそらく、これで大丈夫でしょうね。
10ヶ月はさすがに開けすぎですが、G さんなりの間隔というのがあり(それでも開けすぎだと思いますが 🙁 )、けっして離脱されるような方ではないと、なんとなくわかっています。
マメに来院されないし、来院されても年に数回とかですが、でもそれがずっと10年以上も続いている。もちろん、たくさんお会いできた方が小沼もうれしいですが、回数は少なくとも途切れることなくずっと来てくださっていることもうれしいものです。今後も G さんとはこういう距離をたもっていけたらいいですね。
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