ネット経由で S 村からお越しになった患者 K さん。
いわゆる筋・筋膜性のぎっくり腰を発症し、数日かけて自力でよくなってきたけれど……という状態でした。鍼灸自体が初めてということもあり、初回は軽めに施術。
施術前は身体を前に曲げる、左右に倒す、左右にねじる、という動作がやりにくく腰に響いてしまっていましたが、鍼灸によるバランス調整後はほぼすべての動作の可動域が増して動きやすくなりました。非炎症性の症状ではなかったため、施術直後に痛みが消えた! ということはありませんでしたが、血流が促進することで組織の修復がはやくなりますから痛みが消えるのも時間の問題でしょう。
で、K さんは本能的に「良くなる思考」をお持ちの方。本能的と書いたのはご自身でこの思考を持っていることに気づいていないからです。
以前にも書いたと思いますが、日本人の多くは「良くならない思考」をお持ちです。
例えば、K さんと同じようなぎっくり腰で施術を受けたとしましょう。
多くの方は施術前に比べて動かしやすくなったけど「まだ痛い」なんですね。よくなったところよりも変わっていないところにフォーカスする思考です。せっかく変化したところを認識しないということは脳も変わらないんです。これは大変もったいないことです。結果的にこのような方はよくなっても「まだここが……まだこうすると……」と納得することはありません。
逆に少数派ではありますが K さんのように、まだ痛いけど「動かしやすくなった」ことを喜べるのは、良くなる思考をお持ちの方です。変わっていないところよりも変わった (よくなった)ところにフォーカスできる思考です。この思考をお持ちの方は脳が変化を感じ取りますのでメキメキよくなっていきます。
例え9割は変わらなくても1割よくなったと、喜んだり安心できたりする方は総じて治癒が早いのです。K さんは無意識ですが良くなる思考をお持ちですので順調に回復されると思います。
S 村と会津若松では距離がかなりあり頻繁に来院できません。そうなると1回ごとに施術の効果をもとめられます。小沼の知識と技術はもちろん必要ですが K さんの思考も重要です。いや、むしろこの思考だけで回復していくことでしょう。それだけ「良くなる思考」は大切です。