『今日ちょっと臭うかもしれません』と、患者 H さんが入って来られた。
ビビりながらもお話を伺っていくと、前日に美容院でハンドマッサージを受けたようで、香り付きのクリームか何かを塗りながら揉まれたらしい。それが終わってから手にこびりついたニオイが取れないことに気づき、炊事洗濯、お風呂、手洗いするが翌日になっても手にこびりついたニオイが取れないと。で、冒頭のお言葉です。これ完全に香害です 😡
とりあえず、入って来られた時点で小沼が発症するような香りはないことを確認して、そのまま鍼灸のバランス調整を開始。個人的には H さんの整髪料? シャンプー? の方が気になるし苦手 😥
施術後、ちょっとした実験。施術が終わったベッドや備品の殺菌消臭(脱臭)を目的にクエン酸水のスプレーを常備していますが、それを手にスプレーして揉みこんだらニオイが消えるかも? という短絡的な挑戦です。
まず H さんに現在の手のニオイを確認していただくと『やっぱりまだニオイます』とのこと。そこでクエン酸水を両手にそれぞれ1回ずつスプレーし、手を洗うように揉みこんでいただきました。水洗い後、手をクンカクンカしていただくと……『うわぁーニオイ取れてます!』とのことでした。やったね♪
美容院から帰った直後ではさすがにここまでの消臭力はないと思いますが、炊事洗濯、お風呂、手洗いなどをしてもなお取れないニオイに関しては効果的であることがわかりました。
今は柔軟剤等を使っていなくても過去に柔軟剤等を使った服はものすごい残香するんですよ(まったく劣化しないと断言できます)。それで施術を受けられるとベッドやバストマットにニオイがこびりつきます。クエン酸水のスプレーは完全ではありませんが、これらを剥がす能力もあります。残るときは重曹水のスプレーをするとほぼ消えます。ただ、重曹水はしっかり拭き取っても白く残るのですよね。そこが難点です。
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香りには好みがあります。ハンドマッサージにクリームやオイルを使うことは間違いではありませんが、クライアントが香りを選べると今回のような香害騒ぎにはならないと思うのです。髪をカットする前のシャンプーしかり、整髪料しかり、自分が平気だからといって目の前にいるクライアントが平気とは限りません。そして、こうした商品の香りがどんどんエスカレートしていることも現場の方々は気づいた方がいいと思いますよ。
少し逸れますが、いまペット業界では犬ちゃんや猫ちゃんが肝臓を悪くして急逝しているケースが急増しています。そのほとんどのケースで飼い主が抗菌洗剤、柔軟剤、ファブリーズに代表される消臭剤を多用していたとのこと。中には散歩から帰ってきて犬にファブリーズをびしょびしょになるまでスプレーしている飼い主もいるとか。無知っておそろしい。
肝臓の機能のひとつに “解毒” があります。空気中にただよう抗菌洗剤や柔軟剤、消臭剤の成分を人間よりも小さなの犬猫が吸収するわけです。肝臓の解毒作用は追いつかず、気づけば肝臓の機能不全におちいり昇天。これ、犬猫だけでなく人間も近い将来なると思います。以前、このブログでもアロマセラピストが肝臓や腎臓を悪くしやすいと書きましたが、なんでもかんでもアロマ、アロマ、アロマの世の中で24時間365日香りのある空間で生活していたらいずれ破綻しますよ。自然に近い生活とは程遠く真逆です。
アロマテラピーの場合は天然に近い精油ですが、基本的に美容院で扱う商品に含まれる香料は化学合成でしょう。天然の精油が100%安全とは言えません。それを扱う人が肝臓や腎臓を悪くしていますから。ただ、天然ではなく合成香料に曝露しまくっている美容師の方はそれ以上にリスクが大きいと思います。少し上に現場の方々は気づいた方がいい、と書いたのはこういうことです。香りがどんどん強くなれば、それだけ身体の処理能力に負担がかかるということ。危ないよね。
明日は我が身です。完全に無香料は難しいと思いますが(小沼ならしますけど)、現在の行き過ぎた香りブームを疑うことから始めましょう。まずは「香害」を検索ですね 😉