6月1日から医療広告ガイドラインが施行されました。
これがかなり厳しい内容になっておりまして……
- 施術前後のビフォーアフター写真やイラストを掲載している
- 治療や効果に対する体験談
- 効果があるように勘違いさせる写真(これはダメだと思うけど)
- 根拠のないランキング
- 著名人からの推薦
- 価格の安さをアピール
- 地域ナンバー1などの文言
- 具体的な病名の治療効果を説明している
- 身体の機能が改善されるような説明をしている(新陳代謝、免疫力が上がりますなど)
- 身体の特定の部位の改善がされるような説明をしている(肩こり、腰痛など)
などなど、今や医療にかかわる職種のウェブサイトでは
普通に記述していることが、これからは規制の対象となります。
今では当たり前になってきた、
ウェブサイトやブログ、SNS 等での
症例報告や患者さんからいただいた感想なども全部ダメ!
そもそもウェブサイトの存在自体が危うくなり、
「鍼灸院やってます。場所はここです」くらいしか書けなくなっております。
今あるページ、コンテンツを即削除せよ! とまではいってませんし、
現状すぐにどうこうということはなさそうですが、
例えば新たに患者さんからの感想を追加したり、症例報告を追加するのは NG になります。
そして、おそらくステマ等の関連が深いであろう、
ポータルサイト系(エキテンとか鍼灸コンパスとか)の
口コミも今後は規制の対象になるのでしょうね。
こういう規制って日常診療をしているとスルーしがちです。
また、いわゆる整体師やカイロプラクティックに代表される無資格者も
今回規制の対象になっています。
個人的には今まで規制対象ではなく、
ある意味やりたい放題だった無資格者にも規制がかかったのは嬉しいですが、
医療者全体に一括して強力な規制が敷かれたのは想定外でした。
学校で関係法規を勉強していたとき、広告できる事由について学びました。
当時は 広告=店の前に出す看板やチラシ のことを対象としていましたので
それこそ簡素な内容しかできなかったわけです。
- 治療院の名称
- 診療科目
- 住所、電話番号
- 予約制かどうか
本当にこれくらいしか許可されていなかったんですね。
小沼が鍼灸とマッサージ師の国家資格を取得した頃、
すでに無資格者の台頭すさまじく、彼らは無資格者ゆえに
法律もゆるくて、チラシなんか自由に出稿してました。
それこそ病名や症状名を載せたり、
有名な先生から学んだとか、やりたい放題でした。
フリーペーパーやタウン誌の広告はひどかったですよね。
鍼灸院は規制の対象だから治療院名と地図と住所、電話番号くらいなのに
無資格者の整体院は ○○でお困りの方は当院へ! みたいな文言を普通に書いてましたから。
で、ネットが普及して治療院もウェブサイトを持つ時代となり、
ウェブサイトは「検索者が勝手に見に来るものだから」という理由で
広告規制に引っかからなかったようです。
そして、今のような、
改善率○○%!
地域一番店!
肩こり腰痛なら○○治療院!
施術前後でこんなに変わります!
自律神経専門店!
テレビに出ている○○教授から推薦をいただきました!
のように医療法で好き勝手できないはずの有資格者でさえ、
やりたい放題になり、患者さんの奪い合いになっています。
おそらく、そうした売り文句につられて来院し、
実際に施術受けたけど言ってるほど効果なかった、
もしくは害になったなどの訴えが増えていたのだと思われます。
そして、今回の広告ガイドラインの施行かと。
ある意味、身から出た錆なわけではありますが、
ちょっと厳しすぎかなと思います。
せめて患者さんからの気持ちのこもったご感想くらいはオーケーしてほしかった……。
小沼自身も完全のその内容を把握していませんが、
もう一度ガイドラインを勉強しなおします。