12月1日 (日)は福島県鍼灸師会 創立70周年記念事業「県民公開講座」が開催されました。場所は郡山商工会議所 6階 中ホール A 。
当院の患者さんも聴講にいらしていてビックリ! まさか来ていただけるとは! そして、小沼のしどろもどろの司会もご堪能いただきましたとさ(笑) K さん、ご遠方よりありがとうございました(*^^*)
講座のテーマは『ストレス社会における鍼灸の役割』とし、昨今急激に増えている心因性疾患に焦点を当ててプロフェッショナル2人にご講演していただきました。
1人目は神奈川県横浜市金沢区で樹診療所を開設している山田朋樹先生。精神科医でありながら救急外来で活躍されたご経験のある先生です。
実は救急搬送される患者さんの中にはうつ病による自死未遂が多いそうで、抜本的に対応するために精神科医も救急救命のチームに入っているのだとか。
うつ病というと頭の中だけの出来事のように感じてしまいますが、強いストレスを受ければ筋肉や内蔵、血圧やホルモンなど、身体中のさまざまな場所にいろいろな症状が出現します。
それがひどくなれば全身症状となり、いつかは死んでしまいます。つまり、うつ病は死につながる病なんです (自死を除く)。
「精神疾患=死につながる病」というイメージがなかったため、講演の最初から強烈な衝撃がありました。
衝撃を受けたと言えば「励まし」についても。
よく、うつ病の方に頑張れなどの励ましはご法度と言われますが、山田先生は積極的に励ましていると言います。
のべつ幕なしに励ましはしないようですが、「根拠のある励まし」はかなり有効なんだそうです。
ご法度だと言われている励ましは「根拠のない励まし」ですので、山田先生も根拠を探せない場合は励まさないそうです。
個人的には目からうろこでした(*^^*)
2人目は京都にある明治国際医療大学で特任教授をされている福田文彦先生。
うつ病に造詣の深い先生で、鍼灸刺激が脳にどのような影響を及ぼすのか、といった研究をたくさん行っていらっしゃいます。
国内外で有名な先生ですが、福島県いや東北で福田先生の講演を聴講することは難しく、とても貴重な講演になりました。
福田先生は鍼灸師であることから、鍼灸師の目線に立った講演でした。研究データは最新かつ膨大でさすがについていくのが精一杯でしたが(^_^;)
患者さんとの会話も鍼灸臨床に携わる者であれば「あるある」とうなずける内容ばかりでしたし、小沼が日々思っていることをそのままおっしゃっておられたのでより自信がつきました。
小沼が日々思っていること。それは「心が不調なら身体を楽にし、身体が不調なら心を楽する」ということです。
これを要約して当院では ”気楽” と呼んでいますが、まさにこの思いを福田先生が代弁してくださったのでうれしかったですね(*^^*)
また、福田先生は『鍼灸師には臨床心理士のような専門的なスキルはないけれど、身体を楽にしたり、患者さんの身体に手を触れるというコミュニケーションを取ることができるという強みがある。そして、それが信頼関係の構築につながり、患者さんから話を引き出すスキルはないけど、患者さんから話をしてくれるようになる術を持っている。』ともおっしゃっていました。
さすが、日々臨床と研究に明け暮れている方の言葉には重みがあります。そして分かりやすい。
正直なところ、最新の研究データは難しくて半分ほどしか理解できませんでしたが、ベッドサイドにおける鍼灸師としての特性・強みのお話はとても参考になりましたし、普段自分が意識して行っていることが間違っていなかったという安心感にもつながりました。
香害については薄っすら臭っていましたが、小沼のいる席まではあまり侵襲されませんでした。マスクなしでも過ごせたことが嬉しかったですね!
ただ残念だったのはお隣の県から来たという女性が猛臭柔軟剤鍼灸師だったこと。あまりにも強いニオイに5mほど離れてもきつかったです。
おそらく白衣やタオルなども同じ洗剤・柔軟剤を使っているはず。来院される患者さんにとっては地獄でしたかないわな(-_-;)
香害問題は小沼のようにお店側がお客を選ぶことが多いのですが、最近はお客側がニオイのあるなしで店を選ぶようになってきています。
香害鍼灸院はいずれ淘汰されると思います。もしくは術者が化学物質過敏症 ( CS )を発症して仕事できなくなるか、かな。
16時すぎに県民公開講座が終了し、急いで会場を片付けて、ビューホテルアネックスへ移動。記念式典と祝賀会が始まります。
記念式典の模様は12月2日の福島民報に掲載されました (小沼の名前も載ってましたよ。後述します。)
記念式典と祝賀会では久しぶりにお会いする先生、初めてお会いする先輩先生の元気なお姿を拝見し、小沼も CS なんかに負けてられないなと感じました。
ちょっと少なく物足りない料理(笑)と楽しいお話であっという間に時間が経ってお開きとなりました。
70周年の準備をずっと進めてきて、あっという間に終わってしまって、でも例えば80周年を迎えたとき、100周年を迎えたとき、この一瞬の時間も土台となるのだと思いました。
小沼が福島県鍼灸師会に入会して18年。その間に60周年があり、学会の全国大会が郡山で開催され、東北鍼灸学会で事務局長を務め……等々、たった18年間でも歴史を刻んでいるのだと実感しています。
福島県鍼灸師会を発足し、70年という長い間、脈々と先輩方の想いが受け継がれたこの会を今後も発展させ、県民の皆さまに恩返しができるような団体にしていきたいですね。
ちょっと早いですが、創立100年を迎える決意です (とは言え、その頃は小沼も立派な高齢者の仲間入りですが)。
最後に福島民報の記事です。小沼の名前は2箇所あります。
まさか福島県に縁もゆかりもない自分が周年事業をサポートする人間になるとは思ってもいませんでした。
これもきっと必然なんでしょうね(*^^*)
さて、まだまだ残務整理が山積しております。
一息ついている暇はありません!
いつもよりも長文でした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました(*^^*)
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